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 知り合いの寺島さんは液晶画面の割れたノートパソコンを使っている。

 実は僕も同じ経験があるけど(買ったばかりのパソコンの画面を割ったら誰でもそうする)、寺島さんのはすごい。もう、画面の半分くらいが写らないのである。
 聞くと、昔はただのひび割れだったんだそうだ。しかし、その名の通り液晶は液なので(薄い板2枚の間にはさんであるらしい)徐々に外に漏れ出し、ひび割れの部分を中心に次第に暗くなっていったのだそうだ。網膜剥離みたいな話だ。

 でも、寺島さんは、「いや、昔はもうちょっと視野が広かったんですよ…」とか言いながら、残された「視野」を巧みに使って、ワードとかで文章を書いていた。表示エリア外のボタンなんかも、ウインドウをささっと移動させ、見える位置に持ってきて、ぽん、と押した。エクセルとかも使えていた。すごい。ITびっくり人間コンテスト、とかあったら、寺島さんは多分、予選会くらいは通過できると思う。

 寺島さんのその卓越した能力は、思うに、画面症状のゆるやかな進行にともなって長い時間かけて獲得されたものなのだろう。徐々に狭くなっていく画面に気付かず、正常な画面領域を探して作業をしていくうち、本人も知らないうちに技術が向上していったに違いない。忍者が毎日タケノコ飛び越える、という逸話によく似ている。

 この話から得られる教訓。
 (1)人間とは無限の可能性に満ちた存在である。 (2)それらの可能性は多くの場合、驚くほど何の役にも立たない方向に花開く。
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by AyatoSasaki | 2004-03-31 01:43
 ひつじが群れることに文句を言う気はない。オオカミから自分たちの身を守る、という立派な大義名分がある。それになんだかあったかそうだ。でもエレベータはなぜあんなに群れたがるのか。もともと、ばらばらに動くために台数そろえてるんじゃないのか。それとも、僕らの知らない何かに日々怯えているとでもいうのだろうか。

 理屈はわかる。要するに、先に来たエレベータにみんながぞろぞろ乗ろうとするから、その間に後から来たエレベータが追いついてしまうわけだ。もし抜き去っても今度は乗客はそちらに乗ろうとする。何台あってもこのようなデッドヒートを繰り返してしまうから、気がつけば全部のエレベータが今日も仲良く団体行動だ。嗚呼。

 そういう、横並びを美徳とする日本の教育システムみたいな原理が背景にあると分かると、ますますうんざりしてくる。僕は団体行動とか組織の規律とかに極端に弱い人間なので、エレベータを待つたびに、乗るたびに、どんどん気が重くなってくる。耳が痛くなるのは気圧のせいだけではあるまい。

 というわけで、僕はエレベータにはできるだけ乗らないようにしている。少なくとも、奴らがあの横並び人生をやめない限りは。

 あ、あと、衛星アンテナも嫌い。みんな同じ向き向いてるから。
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by AyatoSasaki | 2004-03-31 01:30

<妄想>あれは、僕だ。

 公園を散歩してたら、暇そうなおっさんがハトにえさまいてた。2、300羽のハトが群れなしてえさをついばんでたわけだが、一匹だけ、白と灰色のパンダみたいなハトが、群れからぽつんと離れたところで砂とかをつまんでは吐き、つまんでは吐きしていた。
 社会との距離感といい、やってることの無意味さといい、白と灰色の中途半端な混ざり具合といい、「あれは、僕だ。」と思った。
 いつかものすごく美味いミミズとかを見つけてヒーローになってほしい。
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by AyatoSasaki | 2004-03-31 01:23