<不毛>ササキくん、死なないで!

「ササキくん、大丈夫? 死なないで!」

って女の子から叫ばれるのが、小学校の時からの僕の夢でした。

 拳銃で撃たれそうになった彼女を間一髪ドラム缶の後ろに突き飛ばし、自分はその凶弾に倒れる。
 興奮しながらも心配そうに涙ぐむ女。
「ササキくん、大丈夫? 死なないで!」
 ふと胸元を見ると、さっきまで真っ白だったはずのYシャツが深紅に染まっている。長年の経験が、僕に残された時間があとわずかだということを僕に知らせた。呼吸が荒い。それでも僕は激痛をぐっとこらえ、彼女を安心させるために笑って見せる。
「大丈夫、かすり傷さ……。それより怪我はないかい……?」

 オヒョー、カッコイイ!

 それに、入退院を繰り返す病弱キャラ、っていうのも、実は、かなり憧れました。僕が入院している病院に、みんなで作った千羽鶴とかを、クラスを代表して学級委員の女の子ほか数名が持ってくるわけですよ。
 僕は本当は薬の副作用で髪の毛とかも抜けちゃってて、体が重くてしょうがないんだけど、みんなが来てくれたのが嬉しくて、弱々しく笑ってみせる。すると学級委員が言うね。
「元気そうで安心したわ、ササキくん。」
 でも僕には彼女の目じりにたまった涙がはっきりと見えた。
「うん。もう大丈夫。お医者さんも、もう心配ないって言ってるし」と僕は嘘をつく。
「ほんと? ほんとなのね…?」
 その時になぜか地味についてきた、すごく美形なんだけど口数の少ない色白のハルカちゃんが、突然、布団に寝ている僕に抱きついてくるわけ。
「ササキくん、大丈夫? 死なないで!」

 ウヒョヒョー!

 でも、今までの僕の人生、そんなシーンは1度だってありませんでした。全然関係ないですが小学校の時の僕のあだ名は「難民」です。入院したって誰一人見舞いにも来なかったぜ。ちくしょ。

 でも、インターネットが僕の人生を劇的に変えてくれるかもしれません。というわけで、21世紀の今こそ、僕の壮大な野望に、チャレンジしてみたいと思います。
 手始めに……



 ええっと……



 みんなが心配してくれそうなブログ名に変えてみました。

 何か間違えましたね、僕。

(それでも敢えてだまされて僕の夢を実現させてやろう、という奇特な方は、コメント欄によろしく。「ササキくん、大丈夫? 死なないで!」です。一生忘れません。)


※その後こんなことまで行われた。↓
<企画>第1回「ササキくん、死なないで」大賞 選考結果について
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by AyatoSasaki | 2004-05-01 23:29