<詩歌>お前には応援されたくない

悲しむな 泣くな へこむな なまはげが「泣ぐ子いねが」と夢を襲うぜ

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 僕は、人をなぐさめるのがすごく苦手である。あ、ヤラシイ意味でないよ、念のため。じゃあそっちの方は得意なのか、と言われるとつらいんだけど。

 頭では分かってる。じっと真剣に話を聞いたり、「うん、うん、そうだよね…。」とひたすらに同意したり、時にはガツンと言ってやったりすればいいんだと思う。

 でも、できないんだねぇ。

 まず、基本的に、おろおろする。目の前で人が悲しんでいると、僕なんて彼女のカナシミには100%無関係なのに、まるで自分のせいで彼女が悲しんでいるんだと錯覚して、僕がなんとかしなきゃ、と無駄な責任感を燃えたぎらせてしまう。

 でも、もちろん自分は悪くないから、僕が何を言ったところで、彼女のカナシミはおさまらない。そりゃそうだ。時が解決するたぐいの心の揺れなのだ。

 で、そのうち、思うように立ち行かなくなった僕はストレスを感じ、ムキになり、自分オリジナルのなぐさめ方を開発しようと、不毛な努力を開始する。僕の開発したその斬新な方法でなら、彼女はすっかり元気になって僕の方を見て笑ってくれるんじゃないかと。「ありがとう、おかげで元気になれた。」とかなんとか言って、キスの一つでもしてくれるんじゃないかと。

 男って、馬鹿ねぇ。っていうか、僕って、ねぇ。

 まあもちろんそんなハッピーエンドは僕の妄想で、現実は、突然謎の言葉を吐き始める目の前の男を見て、彼女は「こいつはほんとに自分のことを大切に思ってるのだろうか?」という根源的な疑問を心に浮かべ始めるのだ。今まで悩んでいたカナシミも忘れて。
 そうか、そういう意味では僕の作戦は成功したと言えるのかもしれない。かなり被害は甚大なのだけれども。

 えぇと、上の「なまはげ」の歌は、恐ろしいことに、僕の中では、「元気を出してよ、ね?」という応援歌のつもりです。もっと恐ろしいことに、僕は実際にこういう意味の言葉で女の子を励まそうとしたことがあります。
 もちろん失敗に終わりました。誰がこんな、夢見が悪くなる呪いの言葉を聞いて励まされるものか。

 自分の作ったものに自分で解説を加えたりするのは照れくさくて好きではないのだけれど、あれは呪いの言葉なんかじゃなかったんだよ、という弁解をどうしても言いたかったので、蛇に足など書き足してみました。

 ほんとはこれが、9年前に言えてれば良かったんだけどね。


 「かなしみ」が今月のお題なんだよね? ワニの次にはなまはげですか

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by AyatoSasaki | 2004-04-28 02:55 | あらら短歌