<見聞>ワニ。

 少し前の話だが、友人の家の大家が、庭で突然、ワニを飼い始めた。

 あ、すいません、カンボジアの話です。日本で大家が庭でワニを飼い始めたら、なんだかシュールで僕は好きだがやっぱりすぐに市役所などに相談に行かれたほうがよろしかろう。しかし自由放任を旨とする行政がウリのカンボジアではそんなことを聞いてくれる窓口はどこにもないのだった。

 カンボジアではワニを飼うのがちょっとしたブームであった。バブルの時代に我々が不動産や絵画に手を出したように、クメール人は今、ワニに手を出しているのである。

 ワニは、中国人が高く買っていく、らしい。それが何に使われているのか、実はクメール人にはよく分かっていない。恐らく推測するに、ワニ革の原料なのだとは思う。でも、もし、中国人がそのワニで劣化ウラン弾を製造していたとしても、彼らは気にせずワニを飼っていただろう。彼らにとって重要なのは、ワニは高く売れる、その事実だけだ。そういうのも、ちょっとだけ、バブルの頃の日本人に似ている。

 というわけで、一夜にしてワニ屋敷と化した友人宅だ。
 でも、ある午後に大量に大家の庭に連れて来られたワニはどれも案外おとなしく、丸太のように静かにしていた。安心した。そりゃそうだ。獰猛だったり、暴れて脱走されたりしたらかなわない。「あら、案外ワニってのもかわいいじゃない。」と友人は思ったそうだ。

 しかしその友人の考えは甘かった。

 ヤツらは夜行性だったのである。

 大家が寝静まった頃から突然活発な行動を始めたワニども、毎晩毎晩

 げろげろげろげろ、

 ばしゃばしゃばしゃばしゃ、

 大騒ぎ。

 その日からしばらく、友人の眠れぬ日々が続いたそうだ。

---
 さて、「深夜トラック」の木村比呂さん「アラステキ」なオカザキなをさんからも「ワニ容認」コメントをいただき、そしてマスノ師からも、続けて良い、と拡大解釈可能なお達しが出ました。ありがとうございます。
 というわけでこの1週間、まだまだ「べりべり!春のワニ祭り!」を続けます。ワニが嫌いな方、あ、あと、父が嫌いな方、どうもすみません。

 今後とも「べりべり」をよろしくごひいきに。
[PR]
by AyatoSasaki | 2004-04-25 12:53