<日常>妄想パスワード(林檎風)

 パスワードに、一つの英単語を使っている。
 メールもブログもプロバイダも、全部おんなじパスワードだ。Lから始まるごく日常的な単語。

 僕がおじいちゃんになったら、死ぬ間際に絶対、自分の家族にこの英単語を漏らしてから死のう、と思っている。迷惑がかからないように。

 でも、あまりにも日常的な単語なので、家族はそれがパスワードだということに気付かないかもしれない。
 「おじいちゃん、最後、訳わからない英語話して死んじゃったわね……ボケちゃってたのね……。」とか長女(45)にしみじみと言われたら、思わず3代くらい呪ってしまいそうなくらい無念だ。

 金田一ハジメみたいな孫がいればいい。
「じっちゃんのダイイングメッセージは……そうか! 謎はすべて解けた!」
 そうだえらいぞハジメ、よくぞわかってくれた、これでワシも安心して成仏できる。

 あ、でも受信箱の昔のメールとかから余計な展開させそうだなコイツ。

「じっちゃんが、自分宛にメールをいっぱい打ってる!」
「なになに、ええと…『父はワニ似』?なんだこりゃ?」
「こ、このメールは一体……。」
 ……そして僕達は祖父からの新しい挑戦を受けることになったのでした……それがまた新たな惨劇の始まりだったのです……

 いや、違う。それはネタのメモを送っているだけだ。そういうのを詮索して勝手に連続殺人引き起こすのはやめてくれ。

 もういいや。パスワードは伝えないで死にますから全部解約しちゃってください。>まだ見ぬ家族の方々。
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by AyatoSasaki | 2004-04-22 11:59 | 妄想日記